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「わたしの部屋」のない生活

エッセイ・日記

子供のころは両親が一室を与えてくれ、そこが「わたしの部屋」になった。部屋には鍵がついていて家族を入れたくないときは鍵をかけていた。自分だけの部屋という気持ちが自分にもあった。といっても生活費は自分で稼いでいなかった、小遣いをもらって暮らしている身分であった。これが「わたしの部屋」の始まりだ。机と本棚がおいてあるだけだった、西日が強く差し込む3畳一間であった。兄弟は「よくあんな暑い所にいられるわね」といっていた。夏でも部屋にこもっていることが多かったのだ。

今は一家の働き手である父もなくなり、子供たちも結婚し独立し、母との2人暮らしになっている。住まいも改造したので「わたしの部屋」はなくなってしまった。こういう生活になってみると「わたしの部屋」を特に持ちたいという気持ちにはならない。自分の部屋を作って部屋に閉じこもってしまっては、用事はたせなくなるし母の介護もできないからだ。これでうまく生活は回転している。「わたしの部屋」があると自分だけの世界に浸ることができるが、そういう趣味は持っていない。