平成で最後となる新春恒例の「歌会始」が16日、皇居で行われました。
ことしの「歌会始」のお題は「光」でその中から両陛下のお歌と皇族方のお歌と入選者のお歌をご紹介いたします。今年は、全国と海外から合わせて2万2000首近い短歌が寄せられました。
《入選者の作品》
◎福島の市逸見征勝さん(79)
湿原に雲の切れ間は移り来て光ふくらむわたたすげの紫
湿原に雲の切れ間は移り来て光ふくらむわたたすげの紫
◎栃木県鹿沼市大貫春江さん(77)
分離機より光りて落ちる蜂蜜を指にからめて濃度確かむ
分離機より光りて落ちる蜂蜜を指にからめて濃度確かむ
◎岡山市秋山美恵子さん(66)
光てふ名を持つ男の人生を千年のちの生徒に語る
光てふ名を持つ男の人生を千年のちの生徒に語る
◎福岡県糸島市瀬戸口真澄さん(65)
ぎりぎりに光り落とせる会場にボストン帰りの晴信を観る
ぎりぎりに光り落とせる会場にボストン帰りの晴信を観る
《皇族方のお歌》
◎天皇陛下
贈られしひまわりの種は生え揃ひ葉を広げ行く初夏の光に
贈られしひまわりの種は生え揃ひ葉を広げ行く初夏の光に
◎皇后陛下
今しばし生きなむとおもふ寂光に園の薔薇のみな美しく
今しばし生きなむとおもふ寂光に園の薔薇のみな美しく
◎皇太子殿下
雲間よりさしたる光に導かれわれ登りゆく金峰の峰に
◎皇太子妃雅子様
おおぎみと母宮の愛でし御園生の白樺冴ゆる朝の光に
雲間よりさしたる光に導かれわれ登りゆく金峰の峰に
◎皇太子妃雅子様
おおぎみと母宮の愛でし御園生の白樺冴ゆる朝の光に
◎秋篠宮様
山腹の洞穴深く父宮ががさしたる先に光苔みつ
山腹の洞穴深く父宮ががさしたる先に光苔みつ
◎秋篠宮妃さま
日の入らむ水平線の輝きを緑閃光と知る父島の浜に
日の入らむ水平線の輝きを緑閃光と知る父島の浜に
◎常陸宮妃華子さま
つかの間に光る稲妻さ庭辺の樹木の緑を照らし出だしく
つかの間に光る稲妻さ庭辺の樹木の緑を照らし出だしく
◎寛仁親王妃信子さま
被災者の苦労話を聞きにける七歳が光る一語を放つ
被災者の苦労話を聞きにける七歳が光る一語を放つ
◎三笠宮家喜古様
らふそくの光が頼りと友の言ふ北の大地を思ひ夜更けぬ
らふそくの光が頼りと友の言ふ北の大地を思ひ夜更けぬ
◎高円宮家妃久子さま
窓辺より光のバトンの射し込みて受くる吾らのひと日始まる
窓辺より光のバトンの射し込みて受くる吾らのひと日始まる
◎高窓宮家長女承子様
朝光(あさかげ)にかがやく御苑の雪景色一人と一匹足跡つづく
朝光(あさかげ)にかがやく御苑の雪景色一人と一匹足跡つづく
◎召人鷹羽狩行(たかばしゅぎょう)
ひと雨の降りたるのちに風出て一色に光る並木通りは
ひと雨の降りたるのちに風出て一色に光る並木通りは