今日は8月28日、東京は夏日で晴れです。気温は33度。
「高見順」(1907年1月30日 - 1965年8月17日)という人を知ってますか。今の若い世代は知らない人が多いでしょうが、私の世代では著名な人でした。私も「いやな感じ」という作品を読んだことがあります。私は作家だとばかり思っていましたが、「詩人」でもあったのですね。そういわれればそういう感じもしました。
その高見順を記念する「高見順賞」が50年の歴史に幕を閉じるそうです。振興会事務局によると「50年という節目を迎え、また財政上の理由もあり終了を判断した」としています。新しい作家がどんどん出てきてますから、時代の流れでしょうが、私は高見順は好きな作家のひとりでもあるので、歴代の「受賞者」をまとめてみました。
《高見順賞歴代受賞者》
第1回(1971年) 三木卓 『わがキディ・ランド』 (思潮社)
吉増剛造 『黄金詩篇』 (思潮社)
第2回(1972年) 粕谷栄市 『世界の構造』 (詩学社)
第3回(1973年) 中江俊夫 『語彙集』 (思潮社)
第4回(1974年) 吉原幸子 『オンディーヌ』 (思潮社)、『昼顔』 (サンリオ出版)
第5回(1975年) 飯島耕一 『ゴヤのファースト・ネームは』 (青土社)
第6回(1976年) 谷川俊太郎 『定義』、『夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった』(辞退)
第8回(1978年) 粒来哲蔵 『望楼』 (花神社)
第9回(1979年) 長谷川龍生 『詩的生活』(思潮社)
第11回(1981年) 安藤元雄 『水の中の歳月』 (思潮社)
第12回(1982年) 鷲巣繁男 『行為の歌』 (小沢書店)
第13回(1983年) 入沢康夫 『死者たちの群がる風景』 (河出書房新社)
第14回(1984年) 三好豊一郎 『夏の淵』 (小沢書店)
第15回(1985年) 天沢退二郎 『〈地獄〉にて』 (思潮社)
第16回(1986年) 新藤凉子 『薔薇ふみ』 (思潮社)
岡田隆彦 『時に岸なし』 (思潮社)
第17回(1987年) 川崎洋 『ビスケットの空カン』 (花神社)
第18回(1988年) 高橋睦郎 『兎の庭』 (書肆山田)
松浦寿輝 『冬の本』 (青土社)
第19回(1989年) 阿部岩夫 『ベーゲェット氏』 (思潮社)
高柳誠 『都市の肖像』 (書肆山田)
第20回(1990年) 岩成達也 『フレベヴリィ・ヒツポポウタムスの唄』 (思潮社)
第21回(1991年) 小長谷清実 『脱けがら狩り』 (思潮社)
辻征夫 『ヴェルレーヌの余白に』 (思潮社)
第22回(1992年) 佐々木幹郎 『蜂蜜採り』 (書肆山田)
第23回(1993年) 辻井喬 『群青、わが黙示』 (思潮社)
新井豊美 『夜のくだもの』 (思潮社)
第24回(1994年) 吉田加南子 『定本-闇』 (思潮社)
第25回(1995年) 井坂洋子 『地上がまんべんなく明るんで』 (思潮社)
第26回(1996年) 瀬尾育生 『DEEP PURPLE』 (思潮社)
第27回(1997年) 白石かずこ 『現れるものたちをして』 (書肆山田)
第29回(1999年) 塔和子 『記憶の川で』 (編集工房ノア)
第30回(2000年) 小池昌代 『もっとも官能的な部屋』 (書肆山田)
野村喜和夫 『風の配分』 (水声社)
第32回(2002年) 鈴木志郎康 『胡桃ポインタ』 (書肆山田)
阿部日奈子 『海曜日の女たち』 (書肆山田)
第33回(2003年) 藤井貞和 『ことばのつえ、ことばのつえ』 (思潮社)
第34回(2004年) 中上哲夫 『エルヴィスが死んだ日の夜』 (書肆山田)
第35回(2005年) 相澤啓三 『マンゴー幻想』 (書肆山田)
建畠晢 『零度の犬』 (書肆山田)
第36回(2006年) 伊藤比呂美 『河原荒草』 (思潮社)
第37回(2007年) 岬多可子 『桜病院周辺』 (書肆山田)
第38回(2008年) 北川透 『溶ける、目覚まし時計』 (思潮社)
稲川方人 『聖-歌章』 (思潮社)
第44回(2014年) 吉田文憲『生誕』(思潮社)
第46回(2016年) 財部鳥子『氷菓とカンタータ』(書肆山田)
川口晴美『Tiger is here.』(思潮社)
第47回(2017年) 齋藤恵美子『空閑風景』(思潮社)[2]
第48回(2018年) 貞久秀紀『具現』(思潮社)
第50回(2020年) 江代充『切抜帳』(思潮社)