トルストイの「戦争と平和」

桜の花も散り、陽射しも初夏のようで少し汗ばみますね。熊本大地震は大変な参事でした、海の向こうのエクアドルでも大地震がありました。被災者の皆様にはお悔やみ申し上げます。

最近はロシアの文豪トルストイやドフトエフスキーの名前は耳にしないが、私の若いころはかなり両者とも人気のあった作家である。ロシア文学はみな長いものが多いのである。「戦争と平和」も文庫本で5冊ぐらいある。こういう長い本を読みとおしたことは、私にとっては一つの記録である。あと後までも残る経験である。

この小説の中で、ある将軍は「戦争に必要なのは兵力ではない、忍耐だ」という。我慢が一番大事なのだ。このことは例えば日本の硫黄島の戦いでもあらわれている。指揮官栗林中将が「敵に発見されるから発砲はするな」とくぎを刺しておいたにも関わらす兵士は発砲してしまい、砲のありかの所在を敵に知られてしまう。これも兵士の我慢が足りなかったことの証である。

戦争と平和」に登場する人物ピエールは、アンドレイ公爵とは違い常に地上を眺めていて、地上の問題と取り組む人物であったように記憶している。それに反してアンドレイ公爵は上を眺めていて、星空を眺めている人物のように思った。アンドレイ公爵は戦争で負傷してしまい、病院でナターシャの献身的な介護を受けるのだが、助からず死んでしまう。介護したナターシャには大きな大経験であったろう。この辺りは年齢を問わずだれでも感動するところだと思います。