弥生時代の川の治水跡見つかる、全国初!

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奈良県橿原考古学研究所橿原市にある弥生時代の遺跡、およそ6000平方メートルを発掘調査したところ、およそ1900年前の弥生時代後期のものとみられる川の跡などが新たに見つかりました。

また、蛇行した川に接続する形で幅およそ1.5メートル、深さが40センチほどの水路のような人工の溝がおよそ50メートルにわたって掘られていたことが分かりました。

これらは、現場が低地であることや、人工の溝には農業用として使われた場合の特有の特徴もみられないことから、一定の水深を超えた川の水をう回させたり、あふれ出た水が近くの集落に流れ込むのを防いだりするために使われたとみられるということです。

古代の治水に詳しい奈良大学の小山田宏一教授は「古墳時代以降に大規模な治水工事が行われていたのは分かっているが、弥生時代にも集落の身近なところで、比較的小規模な川の治水が行われていたことが分かる貴重な史料だ」と話しています。

弥生時代は、紀元前10世紀頃から、紀元後3世紀中頃までにあたる時代の名称。採集経済の縄文時代の後、水稲農耕を主とした生産経済の時代である。